「農民芸術学校(仮称)」は、自給的農業および農的生活に必要な技術と哲学を学びながら、芸術によって社会に貢献できる人材を育てることを目的とした学校です。現代は、グローバル資本主義が世界を席巻して物質的には豊かになる一方で、格差はますます広がり、戦争や飢餓といった不幸は一向になくならず、地球環境の危機的状況が迫り、精神的にはかえって貧困になっているようです。
これらは被造物であり自然の一部に過ぎない我々が、人間本来の真っ当な生き方を忘れ、自ら神のようにふるまおうとしていることに端を発していると思います。「農民芸術学校」では、平和で希望に満ちた世界を創るため、人間本来があるべき大地に根ざした生き方に立ち返り、芸術によって人生を苦悩ではなく歓びに変えることを目指します。
この学校は、デンマークで誕生したフォルケホイスコーレ(民衆大学)と理念を共有したいと思います。フォルケホイスコーレは、自立した民衆(=自給的農民)によって国家や企業に支配されない民主的な社会を築くことを目的に、デンマークの牧師・詩人であったグルントヴィが理念を掲げ、教育者であったコルの尽力によって今からおよそ160年ほど前に創られました。成人を対象として教師と生徒が生活を共にする全寮制のフリースクールで、「神を愛し、人を愛し、土を愛す」という三愛精神に基づいています。現在でも北欧を中心に全世界にフォルケホイスコーレがあり、試験や資格とは無関係に、芸術やスポーツ、様々な教養など各々特徴を持ったカリキュラムを学ぶことのできる学校として、国際的に生徒を集める学校として人気があります。戦前の日本でもデンマークにならって、農村指導者を育てる目的で国民高等学校という訳語で各地に作られたことがありましたが、当時の国家的農本主義にとり込まれ、満蒙開拓(という名の侵略)にも利用され、本来の民主的役割を果たせないまま負の遺産として消滅しました。
今から90年ほど前、花巻農学校の教師であった宮沢賢治も、文部省によって農学校の校舎を利用して創設された岩手国民高等学校の教師として採用され「農民芸術概論」という講義を担当しましたが、そのような学校の限界を感じ、自ら農民となり「羅須地人協会」という私塾を立ち上げました。彼は、そこで農業についての講義などの他に音楽活動を熱心に行い、そこに集った若き農民たちからは「農民芸術学校」と呼ばれていましたが、その活動は様々な事情により1年余りの短さで挫折してしまうことになります。
「鍬で大地を耕し、音楽で心を耕す」をモットーとし、「農民による農民のための農民のオーケストラ」を目標に
、生産者と消費者、地方と都市の架け橋になるべく、農閑期に全道各地での演奏を行っています。演奏をして欲しいというご要望には、できる限りお応えします。また、このオーケストラに参加したいという農家・農業関連の職業人や学生の皆さんからのご連絡も、お待ちしています。初心者や昔ちょっと楽器に触ったことがあるだけという方でも歓迎いたします。
FBグループ(団員限定)
https://www.facebook.com/groups/157354007712313/
どうぞお気軽に、コメントをお寄せください。多忙につき全てのコメントに返事をすることができないと思いますが、ご容赦願います。また、怪しげなトラックバックや、ブログの内容に無関係なリンクを貼ったコメントは、即座に削除させていただきます。
より深い議論をしたい方は、「えこふぁーむ・農民芸術学校 掲示板」へどうぞ。
フェイスブック 有機農園「えこふぁーむ」のページも、ぜひご覧ください。たくさんの写真を掲載しています。