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第17回「農業と食べ物を考える会」&原発体制を問うキリスト者ネット準備会

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3月4~5日、日本キリスト教団野幌教会にて、第17回「農業と食べ物を考える会」(北海道農民キリスト者の集い)が開催された。この会はこの教会の元牧師であった渡辺兵衛牧師が、超教派の農民クリスチャンに呼びかけて1995年から毎年この時期に開催されているもの。私も1992年に本州から北海道に就農して間もない時だったが、この会の第1回から参加している。

プログラム
3月5日 16:00~開会礼拝 野幌教会牧師 森 宏士
     16:30~分かち合い(近況報告)
     18:00~夕食(野幌教会婦人会による)
     19:00~講演「TPPの論点と、日本酪農のあるべき姿」
           酪農学園大学 荒木和秋教授
     21:00~交わりの時

3月6日 7:30~朝の祈り 恵泉塾塾頭 水谷恵信(余市)

     8:00~朝食
     9:00~発題「農民の立場からTPPをどう見るか」
           農業 古屋 勝(旭川)
     11:00~年度総会 事務局 井上昌保
     11:45~閉会礼拝 道北センター館長 R.ウィットマー
     12:00~昼食 解散
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いつも美味しい料理を用意してくださる野幌教会の婦人会+αの皆様。


この会の会則の目的というところをかきだしてみる。
「この会はキリスト教を基盤とし、農業に従事する者、また農業と食べ物を大切にする者が出会い、交流を深め、日本の家族農業を支えながら、神からの賜物である食べ物をすべての人と分かち合う世界を目指すことを目的とする。」とある。

農産物や食べ物を商品としてではなく、命の糧としてすべての人と分かち合う世界を目指すということが、この会の根幹なのである。というわけで、今回のテーマは「TPP(環太平洋連携協定)について考える」。たしか、この会が始まった初期の頃は、GATT体制から発足したWTOがテーマになっていたかと思う。その後WTO体制はうまく機能していないが自由貿易体制は進行し、特定の国どうしでのFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)が進められて来ているが、このTPPはさらに進んで例外なき関税の完全撤廃ということが基本理念であり、それに加えて安全性規制も含む非関税障壁、労働、金融、投資などあらゆる分野での自由化を目指しているものである。国家としての独立性をも脅かしかねないし、すべてを経済に換算する競争社会を強いるものであり、多くのものを犠牲にする危険性もある。また、現在のTPP交渉参加国の枠組みで言えば、ほぼ日本と米国でGDPの9割以上を占めてしまうので、事実上は日米のFTAとも言えるものでもある。
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荒木教授は、TPPの交渉国であり乳製品などが主要輸出品であるニュージーランドが、60年代までは世界最高の高福祉国家であったのが経済破綻に陥り、84年から徹底した行財政改革を断行して成功したことを紹介。そのNZの酪農経営とは、日本の酪農とは正反対の集約放牧による土地利用型酪農であり、シェアミルキングシステムという民主的な経営形態である。春の自然分娩で夏秋のみ搾乳し、施設にお金をかけず手間もかけない。翻って日本の酪農は、メガファーム化でコストを下げようとしたが、実際には施設・エサ、労働の様々なところで無駄だらけであり、コストが下げられるどころか濃厚飼料多投で穀物価格の高騰により逆に赤字を招き、共済金・助成金・奨励金だのみでかろうじて維持している。儲からず、きつく、農家も牛も健康を害して早死にしている。北海道においても、30頭前後の小規模で放牧主体の酪農家の方が、効率よく収益を上げている、ということを具体的な事例やデータによって、紹介してくださいました。
TPPは阻止すべきですが、どうなるか分かりません。私たちは、どうなっても大丈夫な農業を築いておくべきでしょう。

私は、2日目の朝と昼の礼拝では、賛美歌でのオルガン伴奏も務めました。これでお役を果たせると思っていたのですが、朝の礼拝では同じ余市の水谷牧師に、大の苦手な「お祈り」も急にふられて、いやいやながらやるはめになってしまいました。「お祈り」なんて余り意識せずに、もう少し自然にできるとよいのですがね。

そして3月5日午後は、昨年発足した原発体制を問うキリスト者ネットワーク代表の崔勝久さんと事務局長の大久保徹夫さん(川崎市)を酪農学園に出迎えて、キリスト教平和学研究室の藤井創、朴美愛両教授と共に面談。予定していた高橋一教授は体調を崩して残念ながら同席されず。6月上旬に韓国から反原発運動のリーダーたちを迎えての下北核半島でのスタディーツアーについての話だけでなく、様々な話題がつきませんでした。原発体制と植民地体制が同根のものであるとの崔氏の視点には、深くうなずくものがありました。藤井氏と朴氏は、本日から5泊6日で学生を連れて韓国へスタディーツアー、藤井氏は17日には江別の反原発集会でも講演されます。

・日 時:3月17日(土)
①ピースウオーク 12:30江別市役所広場集合(鳴り物、プラカード歓迎)
12:45出発→野幌公民館まで歩きます。
②講演会      13:30~15:30
・場 所:江別市野幌公民館 2階3・4号室(江別市野幌長3-6) 野幌駅徒歩7分
・演 題:「国民総被曝の危機:放射能汚染国家に生きる」
― 福島原発事故を対岸の火事だと思っている人は、その川幅が
1-2メートルしかないことに気づいていない! ―
・講  師:藤井 創さん(酪農学園大学環境システム学部教授・宗教主任)
・資料代:500円
・主 催:脱原発!子どもたちを放射能から守ろう!!江別実行委員会
・連絡先:島田(011-385-7032)



   

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