この会は日本有機農業研究会北海道グループとして1994年1月に結成したもので、私はその当時から参加している。その頃からの仲間は、数えるほどになってしまったが、細々とではあるが、ラディカルな活動を続けている。総会・研修会の会場は、昨年に引き続いて北大農学部の新館にある多目的室。私の古巣での開催でもあるし、ちょっと早めに出かけて、まず北大生協の学食(今回は、理学部わきの中央食堂にしてみたが・・・どこでも味は同じ、酪農学園でもそうだし、全国ほぼ同じらしい)で昼食。
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とんこつラーメン 360円、お豆腐ビビンバ110円、
モロヘイヤとオクラ 63円、牛とろコロッケ 52円、
ライスSS 52円、しめて637円 1099カロリー也(レシートに計算される) ちょっとカロリー高めだが、野菜も十分とったし、コロッケはうまかった。
冬のアルバイトでお世話になっている、小樽築港駅前の「ともちゃん食堂」には量、味、素材の品質において、全然敵わないが、値段の安さでは、いい勝負。
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元理学部のロマネスク様式の重厚な建物(右写真の左側で写っていない)は、北大総合博物館として一般に開放され、現在の研究室は、その後方で高層ビルに収まっている。
戦時中は、陸軍大本営の建物にもなった北大農学部の建物は、今でも威容を誇っている。東京駅といい勝負ではないかな。半地下階があるのが、何とも洋風なのである。
明治時代から残る建物は、かわいらしくていい。下は私の在学当時、農学部の図書館だったが、現在は北大出版会の建物となっている。
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有機農研の総会まで、少しだけ時間があったので、北大生協本店の本屋に行く。何冊も、買いたくなる本を見つけるが、一冊どうしても我慢ができなくなり、私も大好きな内村鑑三について研究
して北大で宗教学博士となったアメリカ人女性による二ヶ国語のエッセイを購入。まず北海道弁丸出しのキャッチーなタイトルに魅かれたが、中身を見て面白そうだし、英語の勉強にもなりそうなので、お金がないのに買ってしまった。
それから、農学部に入り、13時から14時半まで総会。会員が減っている原因と対策について、議論が交わされた。その後の休憩では、農文協のTPP関連図書を見たり、白老有機農業塾を主宰する斉藤晶さん自家採種の在来種をいただいたり、長沼メノビレッジの荒谷明子さんの焼いたクッキーをご馳走になる。
15時から17時半まで、「TPPには負けない!~地域から広げる行動は~」と題し、当初予定していたカナダのブルスター・ニーン&キャサリン・ニーン夫妻の来日が急遽ブルスターさんの体調不良により中止となり、ビデオメッセージとエップ・レイモンド&荒谷明子夫妻による講演代読&通訳に変更。しかし、ブルスターさんは25年前にレイモンドさんと共に負債問題であえぐカナダ農家を救うために農地トラスト(農地を共有にして、借金のかたに銀行から農地を取られるのを防ぐシステム)や、CSA(地域で支える農業)の運動を共にした仲間とのことで、本人が話すのと同じくらいの説得力のある話だった。それにしても、レイの日本語がいつまでたっても達者にならないのは、明子さんの通訳がうま過ぎるせいに違いない。
レイモンドさんはアメリカの農家出身だが大学院で神学を学んだインテリだ。メノナイトという宗派で、先進国アメリカの中で現在でも中世の生活そのままの暮らしをしているアーミッシュの元になったアナバプティスト(再洗礼派)の一派であり、北海道にもいくつかの教会がある。レイモンドさんは、最初実家の農業を継いだそうだが大規模農法に納得がいかず、カナダでCSAの運動に携わったあと、そこで知り合ったパートナーである明子さんの故郷である北海道に来て、メノナイト教会の仲間の協力を得て長沼町にメノビレッジを開き17年目になる。米・小麦・野菜栽培・養鶏の他に最近はパン工房も始めて、札幌の消費者と提携して年間通じて毎週生産物を配達している。
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1947年、太平洋戦争が終わり、化学兵器産業は農業を新たなターゲットにして、「DDTはすばらしい」というプロパガンダ広告が生まれた。しかし1962年のレイチェル・カーソン女史「沈黙の春」でDDTの恐ろしさが知れ渡り、日本有機農業研究会が誕生するきっかけにもなった。2012年現在、TPPはすばらしいと、政府やマスコミは盛んにプロパガンダをやっているが、多国籍企業の利益になるだけであって、民衆にも環境にも、何の利益ももたらさない。
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右の絵は、国家と企業の関係。最初の貿易商社である東インド会社は、インドが近代国家として成立する半世紀も前にできた。その後、インドは英国の植民地になる。
商社の権利は、2つの世界大戦の間に国際連盟で公に認められるものとなった。TPPは貿易障壁をなくすために基準の統一(harmonization)を求めているが、例えば遺伝仕組換え作物(GMO)において、その最大の生産国はアメリカであって、アメリカの基準とは、GMO栽培の自由(日本は禁止)、食品へのGMO使用表示義務なし(日本は義務あり)というもの。TPPに参加すれば、当然これらの消費者を守るために設けられた基準も撤廃を迫られる。
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医薬品・化学会社世界10傑と、農薬会社世界10傑。前者のほとんどが欧米の企業。後者の9、10位に日本の住友とアリスタがすべり込む。
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食品・飲料会社世界10傑と、穀物・油料・製糖会社世界10傑。前者の7位と、後者のダントツ1位が株式非公開で同族会社のカーギル。世界の穀物を牛耳り、貿易自由化を強行に主張。後者の4位と6位に日本の丸紅、伊藤忠商事が入る。
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バイテク10傑と、種苗会社10傑。前者3位と後者のダントツ1位が除草剤も売るモンサント。後者の8位と10位が日本のサカタとタキイ。バイオ企業1100社で作るロビー団体BIOは米基準(表示義務なし)を世界基準とするよう主張。モンサントは最近3ヶ月でに200万ドルをロビー活動につぎ込む。
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命を特許にするなという、ドイツ農民の主張!
ニーン夫妻が主張するのは、貿易の自由=企業による統治と支配ではなく、食糧主権を認めるべきであるということ。つまり、食糧自給より一歩先を行く、何を食べるかを自分で決めることのできる自由の主張である。国と国、人と人とが、公平で公正な関係を結び、人々の必要を満たし、環境を守る、地域の人々の生活が優先されるような経済を築かなくてはならないということ。
左は、NAFTAによりカナダの製粉会社がすべて米国に買収され、米国が小麦を市場に放出して価格が暴落してカナダの小麦農家が潰れかかった時、レイモンドさんたちが直径20cmの小さな製粉機(当時カナダでカナダ人が所有する最大の製粉機だったとのこと)を備えた地域のパン屋を作って農家を支える運動をした時の写真。下は、コミュニティ・レストランという地産地消を進める運動。その他、ファーマーズ・マーケットや自家採種の運動もした。
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インドでは、遺伝子組換え作物が導入されてから、20万人もの農民が自殺に追い込まれたことを訴えるヴァンダナ・シヴァ。グローヴァリズムに抵抗し、生物多様性を訴える。インドでは多様性に満ちた在来種の種子を交換する運動が始まった。
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メノビレッジでは、堆肥を自給して、無農薬有機栽培(もちろん非遺伝子組換え品種)で、こんなにすばらしい大豆の畑を作り、米も作り、味噌を自給している。
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種子は、商品ではなく、天からの贈り物。それは金儲けの道具ではなく、分かち合うためのもの。
とんこつラーメン 360円、お豆腐ビビンバ110円、
モロヘイヤとオクラ 63円、牛とろコロッケ 52円、
ライスSS 52円、しめて637円 1099カロリー也(レシートに計算される) ちょっとカロリー高めだが、野菜も十分とったし、コロッケはうまかった。
冬のアルバイトでお世話になっている、小樽築港駅前の「ともちゃん食堂」には量、味、素材の品質において、全然敵わないが、値段の安さでは、いい勝負。
元理学部のロマネスク様式の重厚な建物(右写真の左側で写っていない)は、北大総合博物館として一般に開放され、現在の研究室は、その後方で高層ビルに収まっている。
戦時中は、陸軍大本営の建物にもなった北大農学部の建物は、今でも威容を誇っている。東京駅といい勝負ではないかな。半地下階があるのが、何とも洋風なのである。
有機農研の総会まで、少しだけ時間があったので、北大生協本店の本屋に行く。何冊も、買いたくなる本を見つけるが、一冊どうしても我慢ができなくなり、私も大好きな内村鑑三について研究
それから、農学部に入り、13時から14時半まで総会。会員が減っている原因と対策について、議論が交わされた。その後の休憩では、農文協のTPP関連図書を見たり、白老有機農業塾を主宰する斉藤晶さん自家採種の在来種をいただいたり、長沼メノビレッジの荒谷明子さんの焼いたクッキーをご馳走になる。
15時から17時半まで、「TPPには負けない!~地域から広げる行動は~」と題し、当初予定していたカナダのブルスター・ニーン&キャサリン・ニーン夫妻の来日が急遽ブルスターさんの体調不良により中止となり、ビデオメッセージとエップ・レイモンド&荒谷明子夫妻による講演代読&通訳に変更。しかし、ブルスターさんは25年前にレイモンドさんと共に負債問題であえぐカナダ農家を救うために農地トラスト(農地を共有にして、借金のかたに銀行から農地を取られるのを防ぐシステム)や、CSA(地域で支える農業)の運動を共にした仲間とのことで、本人が話すのと同じくらいの説得力のある話だった。それにしても、レイの日本語がいつまでたっても達者にならないのは、明子さんの通訳がうま過ぎるせいに違いない。
1947年、太平洋戦争が終わり、化学兵器産業は農業を新たなターゲットにして、「DDTはすばらしい」というプロパガンダ広告が生まれた。しかし1962年のレイチェル・カーソン女史「沈黙の春」でDDTの恐ろしさが知れ渡り、日本有機農業研究会が誕生するきっかけにもなった。2012年現在、TPPはすばらしいと、政府やマスコミは盛んにプロパガンダをやっているが、多国籍企業の利益になるだけであって、民衆にも環境にも、何の利益ももたらさない。
商社の権利は、2つの世界大戦の間に国際連盟で公に認められるものとなった。TPPは貿易障壁をなくすために基準の統一(harmonization)を求めているが、例えば遺伝仕組換え作物(GMO)において、その最大の生産国はアメリカであって、アメリカの基準とは、GMO栽培の自由(日本は禁止)、食品へのGMO使用表示義務なし(日本は義務あり)というもの。TPPに参加すれば、当然これらの消費者を守るために設けられた基準も撤廃を迫られる。
命を特許にするなという、ドイツ農民の主張!
ニーン夫妻が主張するのは、貿易の自由=企業による統治と支配ではなく、食糧主権を認めるべきであるということ。つまり、食糧自給より一歩先を行く、何を食べるかを自分で決めることのできる自由の主張である。国と国、人と人とが、公平で公正な関係を結び、人々の必要を満たし、環境を守る、地域の人々の生活が優先されるような経済を築かなくてはならないということ。
インドでは、遺伝子組換え作物が導入されてから、20万人もの農民が自殺に追い込まれたことを訴えるヴァンダナ・シヴァ。グローヴァリズムに抵抗し、生物多様性を訴える。インドでは多様性に満ちた在来種の種子を交換する運動が始まった。
メノビレッジでは、堆肥を自給して、無農薬有機栽培(もちろん非遺伝子組換え品種)で、こんなにすばらしい大豆の畑を作り、米も作り、味噌を自給している。
種子は、商品ではなく、天からの贈り物。それは金儲けの道具ではなく、分かち合うためのもの。